大仏と雲
山の中腹に鎮座する大仏の穏やかな表情を見上げると、
視界の一部に雲が登場した。
大仏を尻目にホイホイと気持ちよさそうに泳いでいる。
よく見ればユーモラスな形で、笑っているようにも見える。
口をポカンとあけているようにも見える。
その姿を見せたくて現われたのだろう。
風になびけば、こわれれてしまいそうな雲たちの時間。
その一瞬に出会えたことに感謝して、カメラにおさめる。
雲には名称がある。
積乱雲、高積雲、巻雲、乱層雲、房状運、頭巾雲、
そしてちぎれ雲など、さまざまな形状の雲たちが
人間の頭上に姿を現わしては乱舞する。
雲のダンス! ダンス! ダンス!
空を見上げては雲の形を探す。
わたしの気持ちの有様と雲の気まぐれが一致したとき、
空は限りなく近くにあるのだと勝手に思うことにしている。
〈鋸山にて〉
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