大仏と雲

山の中腹に鎮座する大仏の穏やかな表情を見上げると、
視界の一部に雲が登場した。
大仏を尻目にホイホイと気持ちよさそうに泳いでいる。
よく見ればユーモラスな形で、笑っているようにも見える。
口をポカンとあけているようにも見える。
その姿を見せたくて現われたのだろう。
風になびけば、こわれれてしまいそうな雲たちの時間。
その一瞬に出会えたことに感謝して、カメラにおさめる。
雲には名称がある。
積乱雲、高積雲、巻雲、乱層雲、房状運、頭巾雲、
そしてちぎれ雲など、さまざまな形状の雲たちが
人間の頭上に姿を現わしては乱舞する。
雲のダンス! ダンス! ダンス!
空を見上げては雲の形を探す。
わたしの気持ちの有様と雲の気まぐれが一致したとき、
空は限りなく近くにあるのだと勝手に思うことにしている。
〈鋸山にて〉 

(1)  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)  (16)  (17)  (18)  (19)

HOME/MENU