蓮の花、微笑む
蓮の花に会いたかった。
昨年、亡くなった親しい人の声を聴きたいと思った。
あの魂に会えないものかと思っていた。
その人の声は容姿同様にいつも美しく、わたしは励まされたものだった。
歯が痛いと訴えれば、自分の痛みとして受け止めてくれた。
ああ、蓮の花に会いたいなと思ってから、
わたし自身の気持ちも不思議と楽になったのだった。
朝のほうが会える確率は高いのだけれど、わたしが来るまで待っていてくれた。
炎天下、「遅れてごめんね」と蓮に声をかけたら、
「やっと、会えたのね」と言ってくれた。
それから、いろいろとたわいのない会話を交わした。
残された命たちを案じていた。
いまは浄土の世界が少しずつ見えるようになったと語っていた。
あの世とこの世の隔たりは紙一重。
蓮の花、振り向いても振り向いても笑っていた。ありがとう。
<薬師池公園>2004.7.18
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