今回は薬師池公園の裏門から蓮田に向かって歩いた。
木々のあいだから鳥の澄んだ声が聞こえてくる。
いいね、いいねとうっとりしているそばから、
「コケコッコー」とせわしく歩き回るニワトリの姿に思わず苦笑。
蓮池にピンクの花を探すのに難儀した。昨年よりもさらに遅い開花らしい。早すぎたのだ。
それでも、長い首をのばして微笑む蓮の花に出会ったときには、
懐かしくて、うれしくて、こみあげてくるものがあった。
蓮の葉というのは、その形状が蕗の葉にも少し似ているのだが、
明らかにちがうのは、切れ目がないということ。
だから、雨のしずくを受容する力があるのだ。
葉の中心に雨のしずくがたまり、まるで水晶のようにキラキラと輝いている。
そっと葉のふちをつまんで揺らしてみると、
たまっていたしずくが葉の上をころころ、ころころと踊り出す。楽しい。
そして、面白い現象に出会った。
蓮池に茂る葉たちが、しずくの重さに耐えきれなくなって、揺らいだのだろう。
しずくは蓮池へとすべり落ちていく。
あちらこちらから、いっせいに涼やかな音が響いてきた。
それはまるで音楽のようだった。
蓮の花は池の泥が濃いほど美しく咲くという。
それを人の一生にたとえてみる。
あと少し、ほんの少しだけ我慢して、泥水に耐えていたのなら、
美しく咲くきっかけを見失わずにいたかもしれない。
などと蓮の花に重ねて人の一生を想った。
〈薬師池公園〉2006.7.17