ある日突然、白いトイプードルに変わっていた。オス。値段は54万円也。
これは愛嬌があって動作も機敏。ガラスのなかでピョンピョンと跳ね回っていた。
生きている動物というよりは、ゼンマイ仕掛けのぬいぐるみのようなのだ。
かわいい。思わずカメラにおさめようとしたら、
店の人に「ごめんなさい、撮影はだめなんです」と注意される。
そりゃ、そうだ。商品である。だから、観るだけにした。
ある日突然、黒いトイプードルに変わっていた。メス。値段はグンとはね上がって74万円也。
おおー。驚く。20万円の差はどこにあるのか。理解できないが、血統がいいのだろう。
ところが、この黒いヤツは小さなフロアクッションに丸くなって寝てばかり。猫みたいに。
ある日のこと。彼女は動いた。首に掛けられたエプロンをかじってあばれている。
同じようにショウウインドウをのぞいていた若い女性が、
「あ、なんか苦しそう。エプロンが首にからまっているんじゃない?」と心配そう。
「いやいや、エプロンがじゃまなんで、自力で突っぱらいたいのでしょう」
それにしても、である。
見かけるペットたちは窮屈そうなワンピースやショートパンツやらを着せられて、
果たして、いい気分なのだろうか? ペットたちにインタビューを試みた。
「ンモー、あたしの飼い主ときたら、まるでセンスがないのよ。こんなフリフリいやなのー」
「まあ、慣れてしまえば、裸で歩くほうが恥ずかしいものです」
「御主人様の虚栄心を満足させるために、やせ我慢の日々を送っているのさ」
ほかにも、いろいろと発言が飛び出した。いつかインタビュー集としてまとめよう。