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ミクロの旅 〜生きてあることの神秘〜

わたしは小さく光る眼
わたしはわたしの口腔から体内に潜り込む
食道から胃へ、そして十二指腸へと

朝露にぬれてキラキラ光る薄桃色の道を降りてゆく
瞬時にすべてを丸呑みしてなめらかに刻む命の鼓動
この道があったからわたしは救われていた

横着にほうりこまれる有害無害の形を
丁寧に咀嚼するいまは空っぽの池をひとまわり
どんなに傷を負っても自らの力で再生する
薄いオーガンジーの膜で形づくられた母堂に
わたしは感嘆の声を上げ
ひざまずいて許しを乞う

偉大なる池につづく薄暗い部屋をたずねる
目立たぬように役目を果たしていた柔らかな力
「さっさとお帰り。もう、二度とくるんじゃないよ」
わたしは感涙にむせび踵をかえす

何度も何度も振り返った
そして、すべる坂道をのぼりながら考えた
わたしがこの世に生を受けたそのときから
わたしとともにありながら
春夏秋冬 盤根錯節
喜怒哀楽 暴飲暴食
わたしを受け入れてくれたその寛大さに感謝しよう
わたしの内にある荘厳な命の社をこわさぬよう努めよう
ここに生きよう
ここに生きる
わたしの命の鼓動を聞いていたいから

わたしは小さく光る眼
十二指腸から胃へ、そして食道へと
わたしはわたしの口腔から体外へと出でる

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