オサムが女と入水した六月のある日
困惑と非難の言葉が渦巻いた
倦怠は沈んで桜桃が実ったと誰かがささやいた
ユキオが自決した十一月のある日
驚愕と羨望の悲鳴が聞こえた
思想は消えて美学が残ったと誰かがつぶやいた
ふと思い出した彼らの人生
はたと気づいた彼らの死の意味
そのまま生き続けていたらどんな人生だったのか
古びた書物に彼らの面影を写して
時代の空気を感じとってみたい
いまを生きる表現者たち
加齢しても決して老けこまず
「いろいろあったけど元気でいるよ」
「いまも相変わらず続けているのさ」
「じじいになっても同じだろう」
踵をかえした背中に照れ笑いが浮かぶ
モリオが心かろやかに歌うたえば
昭和ロマンが花開き、しみったれたうつつも水の泡
リュウが精力的に書き綴れば
十代の性と暴力と希望がエナージーを生む
ケンイチが「死ぬな、生きろ!」とシャウトすれば
無限の色彩が乱舞して、言葉のソウルが湧き出る
彼らが疾走しながら夢みるもの
彼らが直観しながら試みるもの
すべてを包括して表現する彼らの季節がつづく
彼らの魂、彼らの肉体
彼らの躍動、彼らの逡巡
自我を大きくまるめて転がせば
ゆるやかな斜面をどこまでも下りていく