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いない、いない、バー
   ・・・月火水木金

たまにふらっと立ち寄りたくなるバーは
「枯れ葉のジプシー」
ここのところ連日連夜の訪問さ
ぼくはどうかしている

月曜日
夜七時。一番乗り。マスターと挨拶
ワイルド・ターキーのオン・ザ・ロック
3杯ゆっくり飲み干して、九時半
きみはこないだろうと観念して引き上げる。

火曜日
夜九時。残業帰りの末席
I・W・HARPERのオン・ザ・ロック
2杯だけで酔いがまわって十時半
きみの来る気配なくてあっさり席を立つ。

水曜日
夜八時。本屋ぶらぶらの立ち寄り。男ばかり
いきなりカクテルのマンハッタン
1杯だけで負の予感して、九時
きみを待つのは徒労と外気を受ける。

木曜日
夜十時半。宴会のあとのほろ酔い気分
十年ぶりのドライ・マティーニ
今夜もきみが来た気配なく、店にぎやか
“奇妙な果実”を耳に残して店を出る。

金曜日
夜七時。再び一番乗り。マスターにからかわれる
懐しのジン・ロック、一時間で三杯
空腹にねじこんで、頭が軽くなる
ランボーの詩集をつまみに、ズブロッカのとろり冷えたやつ
きみの顔を思い出せない
閉店まぎわの勘定は五千円札でおつりが百円玉一個。

止まり木は至福の指定席。
今夜こそ、今夜こそ来ると思ったけれど、きみは来なかった。

ああ、いない、いない、バー。

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