女の口から勢いよく本音が飛び出したので 男はあわててそれをポケットに詰め込んだ 女は醒めた目で男を見た 男は無言のままうつむいた そのとき 電車のドアからいっせいに乗客が飛び出し 構内アナウンスが悠長に流れた
男は電車に飛び乗り 女はホームに残った シャットアウトされたドアの向こうに 男の寒そうな背中が見えた 女は踵を返して「あばよ」とつぶやき ゆっくりとホームの階段を昇った
すでに冬を迎えていた
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